みなさん、こんにちは!新しい家族が増える準備、ワクワクしますよね。
特にベビーベッドは、赤ちゃんが安全に眠るための大切なスペースです。しかし、実はベビーベッド周りや、大人用ベッドでの予期せぬ事故が、後を絶たないのが現状です。
今回は、日本小児科学会の「傷害速報」などの事例を参考に、重大な事故を防ぐために保護者として知っておくべきリスクと、具体的な予防策について詳しく解説します。
めぇ安全なねんね環境を整えて、赤ちゃんを危険から守りましょう!
ベビーベッドを使うメリット
「添い寝したいから」「場所を取るから」といった理由で、ベビーベッドを使わないご家庭もあるかもしれません。しかし、ベビーベッドには赤ちゃんを事故から守る大きなメリットがあります。
1. 大人用ベッドからの転落・窒息事故が多発
消費者庁の調査によると、大人用ベッドからの転落事故は0歳代が特に多く、報告されただけでも534件に上ります(平成22年12月~平成29年6月末まで)。軽い擦り傷で済む場合もありますが、転落によって頭蓋骨骨折や頭蓋内出血など、重篤な怪我につながることもあります。
特に危険なのは、大人用ベッドと周囲の家具(壁、窓、クッションなど)の間に赤ちゃんが挟まってしまうケースです。



安全対策のつもりが、かえって危険を生むこともあります。事故事例を知ることが大切です。
• 事例1:ベッドと壁、窓の間の転落・窒息
生後4か月の男児が、成人用ベッドと壁、窓の間に転落し、転落防止のために置かれていたぬいぐるみやクッションに上半身が埋もれて、心肺停止状態で見つかり、その後亡くなった事例があります。この時、ベッドと窓の隙間は30cmほどでした。
• 事例2:ベッドと毛布の間の窒息
生後6か月の男児が、柵のないダブルベッドで寝かされていた際、足側のベッドの縁から転落し、転落防止のために積み上げられていた毛布とベッドの間に挟まれて発見されました。この事故により、男児は低酸素性脳症と診断されています。
これらの事例から、大人用ベッドを使用する際には、壁や家具との間に赤ちゃんが嵌まり込むような隙間を絶対に作らないことが重要です。また、転落防止の目的でクッションや毛布などの柔らかいものを置くと、それが窒息の原因になるリスクがあります。
2. 兄弟やペットからの保護効果
ベビーベッドは、上のお子さんが誤って赤ちゃんに触れたり、踏んでしまったりするリスクや、ペットが不用意に近づくことを防ぎ、赤ちゃんを守る役割も果たします。赤ちゃんがペットに咬まれる事故の予防策の一つとしても、ベビーベッドの使用があげられます。


ベビーベッド関連製品のキケンな使い方
本来、安全のために使用されるはずの製品が、使い方によっては重大な事故につながることがあります。
リスク①:大人用ベッドで使用する「ベッドガード」による挟み込み窒息
通常のベッドに装着して転落を防ぐ「ベッドガード(ベッドフェンス)」は、対象年齢や装着方法、使用状況を誤ると、マットレスとの間に隙間が生じ、乳幼児が挟まって窒息する危険性があります。
•【事例】ベッドガードのずれによる窒息
生後6か月の男児が、普通のベッドに市販のベッドガード(マットレスの下に差し込むL字型)を装着して寝ていたところ、ベッドガードが水平にずれてマットレスとの間に10cm弱の隙間ができ、側臥位で半身が嵌まり込む事故が発生しました。顔面がマットレスや隙間に詰め込まれていたタオルケットで半分程度覆われており、発見時は体動や発声がなく、顔にチアノーゼが認められました。
ベッドガードは、生後18か月から60か月までの子ども向けに想定されています。製品にも「生後18か月未満には絶対に使用しない」と表示があることが多いです。



使用方法を守りましょう
リスク②:親のベッドに置く「ベッドインベッド」の転覆による窒息
親のベッド内で添い寝時の安全確保を目的に使用される「ベッドインベッド(in-bed sleepers)」も、近年普及が進んでいますが、転覆や転落による窒息事故が報告されています。
【事例】ベッドインベッドが転覆し、敷布団に押しつけられた窒息
生後5か月の児が、傾斜をつけたベッドインベッドで寝かされていた際、寝返りをしようとしたと推測される状況で、製品ごとマットレスの横にあった子ども用の敷布団の上に転落・転覆しました。ベッドインベッドの重さで児の頭部を含む体全体が布団に押し付けられた状態で発見され、窒息による心停止に至り、重篤な低酸素性脳症が遷延しています。
ベッドインベッドの安全な利用のための推奨事項は以下の通りです。
• 発達段階への配慮: 寝返り開始期(生後4~6か月頃)には監視を徹底し、万が一の転落や転覆に対応できる環境で使用する。多くの製品は寝返りが始まる頃までの使用を推奨しています。
• 設置環境への配慮: 設置場所は硬く、児を載せても沈まない床で、周囲の寝具との間に段差が生じない場所で使用する(段差からの転覆防止)。
• 傾斜角度の確認: 米国基準に準じ、睡眠面は水平から10度以下の傾斜に設定する。
• 説明書を必ず読む: 特に中古品や譲り受けた品の場合も、製品の特性や注意点が書かれた説明書を必ず確認する。
リスク③:通常のベビーベッドの収納扉による挟み込み窒息
ベビーベッドの床下に収納スペースがあるタイプでは、収納扉が適切に閉まっていなかったり、ロックがかかっていなかったりすると、扉の隙間に頭が挟まって窒息する事故が報告されています。
• 対策: 収納扉付きのベッドを使う際は、必ずロックがかかっていることを確認し、収納扉と赤ちゃんの寝る床板の間に隙間がないか確認しましょう。
これは、実際の事故をもとに、消費者庁が再現実験を行った動画です(動画はANNnewsCHアカウントのもの)。
扉が開くメカニズム、構造はこちらの方が詳しいです。
安全なベビーベッドの選び方
ベビー用品の購入で最も重要なポイントは「安全性」です。価格やデザインが魅力的でも、安全基準を満たしていない製品は避けるべきです。
ベビーベッドの安全性を示すものとして、PSCマークがあります。より安全性が求められる製品に対して、国の基準を満たしていることを証明しているものです。
ほとんどのベビーベッドがPSC基準を満たしているようですが、まれにマークがついていないものや中古商品などもあるため、購入前に確認しておきましょう。


ベビーベッドを安全に使うためのチェックリスト
ベビーベッドは、一般的に生後0か月から24か月以内の乳幼児の使用が想定されています。
1. 柵は必ず上げる
赤ちゃんが寝ている時や、短時間でも目を離す時は、ベッド柵は必ず一番上まで上げておきましょう。赤ちゃんの成長はとても早く、昨日できなかった寝返りや、つかまり立ちが急にできるようになることがあります。
2. 使用をやめる時期の目安
つかまり立ちを始め、ベッドの柵によじ登ろうとする様子が見られたら、柵を乗り越えて転落するリスクがあるため、使用をやめて敷布団などで寝かせましょう。
3. 周囲の環境を整える
• ベビーベッドの近くに、赤ちゃんが転落した際に挟まれるような壁や家具との隙間を作らない。
• 転落防止のために、ベッドの周りにぬいぐるみ、クッション、毛布などの柔らかいものを置かない。これらの柔らかいアイテム自体が、転落時や寝返り時の窒息の危険を高めます。



安全な環境を作るために、定期的に寝室やベッド周りの状況を見直すのもいいですね!
中古品やレンタル品を利用する場合の注意点
中古品やフリマアプリで購入する、またはレンタルで利用する場合は、以下の点に特に注意が必要です。
• 安全基準の確認: 最新の安全基準を満たしているか、リコール対象になっていないかを確認しましょう。
• 隙間の確認: 特に古い製品の場合、収納扉の隙間など、現在の安全基準を満たしていない構造がないか使用前に確認しましょう。
乳幼児の安全な睡眠環境の確保は非常に重要な課題です。使用する製品の添付文書をしっかり確認し、お子さんの発達状況に応じて使用方法を見直していくことが推奨されます。
大切なのは、事故事例・パターンを知ることです。そうして、キケンな状況を避けるようにしましょう。
参考文献:日本小児科学会 ホームページ Injury Alertより









コメント