【医師ママが教える】子どもとペットが安全に暮らすための犬咬傷予防ガイド

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みなさんのご家庭にも、ペットはいますか?生き物と暮らすことは、心を豊かにし、命の大切さを学ぶとても素敵な機会ですね。

しかし残念ながら、動物に咬まれるなど、怪我のリスクも少なからずあります。今回は、犬と暮らす中で、特に子どもたちを重篤な咬傷事故から守るための予防策について、詳しくお話ししていきます。

めぇ

安全に暮らすために、まずは危険な事例や予防策を知っておきましょう!

目次

犬咬傷の現状を知る

被害者のうち、3~6割は小児

動物に咬まれた怪我を「咬傷(こうしょう)」と呼びます。環境省の調査によると、犬咬傷の被害報告件数は年々減少傾向にあるものの、2018年度には4,384人、2023年度には4,602人 の被害者が報告されています。年によっては死亡例も平均で3人ほど報告されているため、決して軽視できません。

犬咬傷の被害者のうち、3割から6割は小児が占めているとされています。国内の報告では、小児の受傷時平均年齢は7.3歳、男児が3分の2を占めるというデータがあります。

めぇ

報告されていないケースもあると思うから、あくまで目安です

年齢によって咬まれやすい部位が違う

小学生以上:四肢(手足)を咬まれることが多いです。

4歳以下の幼児:約40%が頭や顔を咬まれています。これは、犬の顔の高さと幼児の顔の高さが同じくらいであるため、年少児は犬に押し倒され、頭部を咬まれやすいことが推察されます。

犬種や性格による油断は禁物

「うちの子はおとなしい犬種だから大丈夫」と思っていませんか?どの犬種であっても、犬咬傷は起こる可能性があります。小型犬はもちろん、温厚と思われがちなゴールデンレトリバーによる死亡例も報告されています。

犬種にかかわらず、抵抗のできない乳幼児と犬を一緒にして放置しておくことは危険です。

特に注意が必要な重篤なケース:乳児の陰部咬傷

犬咬傷のうち、陰部への受傷は1.4%と稀な事例ですが、重篤な結果を招くケースが多く報告されています。

陰部受傷の報告21例中19例が男児で、そのほとんどが精巣欠損などの重い怪我でした。乳児例が3割を占めており、乳児、とりわけ男児は、犬による外性器咬傷のリスクが高いことがうかがえます。

生後6週から1歳4か月までの男児の陰部咬傷事例が日本国内でも複数報告されています。例えば、生後4か月(男児)が昼寝中にミニチュア・ダックスフンドに右精巣を咬まれ摘出した事例や、生後10か月の男児がシェパードとの雑種に両側の精巣などを欠損した事例があります。

乳児早期に咬傷事故が多いのは、自力で移動ができないためとも考えられています。また、陰部咬傷の原因として、犬がおむつの尿の臭いを餌と勘違いしたためではないか、との報告や推測があります。

いずれの重篤な事例も、室内で犬が自由に動ける状態で、大人がそばを離れ、児と犬が放置されていた状況で発生しています。

めぇ

ごく短時間でも、乳幼児と犬を一緒に放置してはいけない、ということですね。

  • 普段おとなしい犬でも、乳幼児と一緒に放置してしまうのは危ない
  • お昼寝の時は犬が子供の周りに行かない様に仕切りなどをする

犬咬傷の予防法

屋内での対策(環境整備)

短時間であっても、小児と犬を一緒にして放置しない

• 犬を室内で飼育するときには、低月齢児はベビーベッドで寝かせるようにしましょう。

• 大人がそばを離れる時には、中・大型犬やジャンプ力に優れた小型犬であっても、ペットゲートやサークル、ゲージの使用を考慮すべきです。

• 犬を去勢する、という予防策もあります。

子どもへの教育

子ども達に対して、動物がどんな時に嫌がるかを教えることも必要です。

• 犬のしっぽを持つなど、犬が嫌がることをしない

• 犬が「怒っている」時だけでなく、「怖がっている」時や「子犬をつれている」時にも咬まれるケースがあることを教える。

知らない犬には近づかない、目を合わせない

• 犬の近くで大声を出さない。

めぇ

むやみに動物を怖がらせないように、幼いうちから、動物との安全な接し方を共有しましょう!

動物に咬まれたら?緊急時の対応

犬に限らず、動物の口の中には多くの細菌がいます。咬まれることで傷から感染し、蜂窩織炎(皮下組織の炎症)や骨髄炎になることがあります。また、狂犬病や破傷風になるリスクもあるため、放置せずに、すぐに病院を受診してください

応急処置

1. 傷口をよく洗う

2. 出血していれば、押さえて止血する

3. 傷を完全に塞ぐような、絆創膏は貼らないようにしましょう。傷を塞ぐと、中で細菌が増えてしまうリスクがあります。

めぇ

抑えても止まらない出血の場合は、救急車を呼びましょう。

咬まれてすぐは問題なくても、後から症状がひどくなることがあり、命に関わります。

【参考文献】

環境省 動物愛護管理行政事務提要(令和3年度版)
犬による咬傷事故状況(全国計:昭和49年度~令和2年度)
[PDF 173KB] https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/gyosei-jimu_r03.html

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この記事を書いた人

医師ママの安全Life研究所🐑
37歳在宅医師 | 2児の母

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